MAPACT AI導入支援 会社概要 お知らせ

BLOG 2026.08.20

「あの見積、どうなってますか」と聞かれて気づく ── 見積の提出漏れが起きる本当の理由

見積の提出が漏れていることに、自分から先に気づけたことが、ほとんどありませんでした。

気づくのはいつも、担当者からの一言です。「あの見積、どうなってますか」。聞かれた瞬間に、頭の中で予定表がめくれます。あの客に会うのは来週だったか、明日だったか。前日や当日にそれが起きると、そこから慌てて動くことになります。

社内で一番ヒヤッとするのは、この一言です。

忘れていたのではなく、頭から消えていた

最初は自分の記憶力の問題だと思っていました。違いました。

抜けるのは決まって、自分で作らずに、人へ依頼した見積でした。社内で手を動かして作る見積は忘れません。作業そのものが記憶に残るからです。ところが他社へ依頼した見積は、依頼を出した時点で頭から消えます。

任せるという行為が、自分の中では完了に見えてしまう。 ここが原因でした。

しかも厄介なことに、依頼した見積が出てこなくても、こちらには何も起きません。督促の連絡が来るわけでも、画面に赤い印がつくわけでもない。出てこないことは、何の音も立てない。 音が鳴るのは、担当者が「どうなってますか」と聞いてきたときだけです。そのときには、もうアポが目の前に来ています。

決めていたのは相手の期日で、自分の予定ではなかった

依頼するときに決めていたのは、提出の期日だけでした。

期日は相手の予定です。こちらの予定ではありません。相手が忙しければ動きませんし、動かなくてもこちらには伝わりません。期日を決めることと、自分が確認することは、別の話でした。

必要だったのは「いつまでに出してください」ではなく、「その何日か後に、出ているかどうかを自分が見る」を先に置いておくことでした。前者は相手に渡す約束で、後者は自分の仕事です。混ぜていたので、相手が動かないとそのまま止まりました。

相手に渡す期日と、自分が確認する日は別のもの。前者だけを置いていた間は、出てこないことが誰にも知らされなかった。
相手に渡す期日と、自分が確認する日は別のもの。前者だけを置いていた間は、出てこないことが誰にも知らされなかった。

いま防げていること、まだ防げていないこと

今は、社内のやり取りをSlackで回していて、そこへAI(Claude)をつなぎ、毎日夕方に案件のやり取りを見て回らせています。見積のファイルは上がっているのに提出したという報告がない案件、現地調査の予定日がGoogleカレンダーに入っていない案件。そういうものだけを拾わせて、その日に見るべきものがあるときだけ知らせる形にしました。何もない日は何も言いません。

これでだいぶ防げるようになりました。ただ、正直に書いておきます。効果を数字で示すことはできません。 幸い、この件で先方に迷惑をかけたことや、失注したことは今のところありません。実害が出ていないので、防いだ件数を数えようがない、というのが実態です。いつもぎりぎりのところで間に合っている、と言うほうが正確です。

穴も残っています。いまの仕掛けは「提出の報告がない」ことは拾いますが、その客に次に会うのがいつなのかを見ていません。 明日アポがある案件も、二か月先の案件も、同じ顔で並びます。慌てるのは前者だけなので、本来は分けて出すべきです。次はアポの日付と突き合わせて、近い順に並べ替えるところを試すつもりです。ここはまだ解けていません。

明日からできること

  • 人に振った仕事には、自分が確認する日を置く。相手に伝える期日とは別に、自分の予定として持つ
  • 「これどうなってますか」と聞かれた案件を、書き留めておく。聞かれた回数がそのまま、抜けている場所を教えてくれます
  • 何も起きていない案件を探す時間を作る。動いている案件は放っておいても目に入りますが、止まっている案件は静かなので、探しに行かないと見つかりません
  • 仕組みで拾うなら、まず「近いもの」から。全部を平らに並べると、明日の分がその他大勢に埋もれます

任せた瞬間に頭から消えるのは、たぶん誰にでも起きます。消えないように気をつけるより、消えても戻ってくる道を作っておくほうが、確実で楽です。

株式会社MAPACT(埼玉県春日部市)
中小企業のAI導入を支援しています。やっていること

← 記事の一覧へもどる