BLOG 2026.08.18
中小企業がAI導入で最初に間違えること
最初に手を出したのは、本業と関係のないことでした
建設会社でAIを使いはじめたとき、最初に手を出したのは建設と関係のないことでした。
AIで何かやりたい。そう思って、面白そうなものから順に触っていきました。動くものはできました。技術的にも、うまくいったと思っていました。
いま振り返ると、ここが最初の間違いです。
「AIで何ができるか」から始めていました。「誰の何が楽になるか」ではなく。
「社員のため」と言いながら、自分のためでした
もっと厄介な間違いにも気づきました。
社員のためを思ってやっている、と自分では思っていました。実際には違いました。自分がやりたいことを、社員のためという言葉で正当化していただけでした。
自分よがりだったのです。
気づいたのは、二つのことが重なったときでした。
一つは、作った画面が使われていないのを見たとき。使用状況を調べるまでもなく、開かれていませんでした。
もう一つは、社員から頼まれていた小さな用事を、何度も忘れ続けていたことです。大した手間のかかることではありません。ただ、後回しにしていました。
AIで大きな仕組みを作りながら、目の前の「ちょっとお願いします」を落としていました。 どちらが社員のためだったかは、考えるまでもありません。
この手の間違いは、誰にも指摘されません。社長や役員が「会社のためにAIを入れる」と言えば、社員は反対しにくい。反対されないので、間違ったまま進みます。そして、できあがったものは使われません。
使われない理由を、最初は相手側に探していました。ITに慣れていないから、忙しいから、と。違いました。使ってもらえる作りになっていなかったのです。作る前に、その人が本当に困っていることを聞いていなかったからです。
一番大事なのは、そこで働く人のことでした
順番を変えました。
やりたいことから始めるのをやめて、社員が毎日うんざりしている作業から始めることにしました。自分の興味と一致していなくても、そちらを先にやります。
見積の作成に数時間かかっていた件は、この順番で進めたものです。派手さはありません。単価を整理して、選べば出てくるようにしただけです。それでも、現場に出ていても見積が止まらなくなりました。
面白い技術かどうかは、関係ありませんでした。 その人の一日が変わるかどうかだけが問題でした。
いま考えていること
社員が働きやすい環境をどう作るか。いまはそこから考えています。
AIは道具です。道具の話から始めると、たいてい間違えます。先に、誰がどこで詰まっているかを見る。そのうえで、AIで解けるものだけをAIに渡す。解けないものは、人がやるか、そもそもやめる。
この順番にしてから、作ったものが使われるようになりました。
正直に言うと、いまも完全にできているわけではありません。自分の興味が先に立ってしまうことは、まだあります。 気づくたびに戻す、を繰り返しています。
明日からできること
AIツールを調べる前に、やることが一つあります。
社員が一日のなかで一番うんざりしている作業を、一つ挙げてください。
自分で想像せず、本人に聞いてください。おそらく、自分が思っていたものとは違います。私は違いました。
それが地味な作業でも、AIらしくなくても、そこから始めてください。順番を逆にすると、動くけれど使われないものができあがります。作った側だけが満足して終わります。
株式会社MAPACT(埼玉県春日部市)
中小企業のAI導入を支援しています。やっていること
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